人権は人間が生まれたときから誰でも持っている権利です。その人権を自分達の身近な問題として考えて欲しい、小学生や中学生がポスターを制作するという教育活動を通じて人権尊重を形成して欲しいという取り組みが人権ポスターです。
人権は人間が生まれたときから誰でも持っている権利です。その人権を自分達の身近な問題として考えて欲しい、小学生や中学生がポスターを制作するという教育活動を通じて人権尊重を形成して欲しいという取り組みが人権ポスターです。
人権を簡単に言うと人間が生まれたときから持っている権利です。人権には大人も子供も男も女も関係ありません。自分が自分らしく幸せに生活できるように保障するようにしたのが人権です。
日本国憲法では基本的人権として「幸福追求権」「自由権」「生存権」「教育を受ける権利」など様々な権利で守られています。
例えば、学校に行って勉強ができることや生命に危険がないこと、職業を自由に選択できること、自分の考えを自由にもち発表できることなど幸せに暮らせるように人権があります。
人間の自由や平等の大切さについて、男女差別や障害のある人への差別などの問題について考えたテーマを作品にします。地域によって内容が少し変わってくるので、自分達の地域の内容はきちんと確認してください。
この人権ポスターは小学生や中学生を対象にしていることが多いです。それはポスターを制作すること、それを見た周りの人が人権の大切さに気づくことを目的にしているからです。子供のころに人権尊重を理解するということは大人になると豊かな人権感覚を持つことができるでしょう。
人権ポスターは人権啓発ポスターと言うこともあります。
人権ポスターの作品は人権擁護局のページの
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken24.html
のサイトに1995年から2005年までの作品があります。
ここには部落差別解消ポスターや人権週間ポスター、児童の権利擁護ポスター、障害者の人権ポスターなどがあります。傾向としてはイラストよりも写真を中心にした作品が少し多いです。昔の作品よりは最近の作品のほうがパソコンを使って、良い作品になっています。特に文字に注目すると最近の作品のほうが文字の読みやすさや見やすさに気を使って作っていると思います。
次に三重県の人権ポスターを見ます。
http://www.pref.mie.jp/JINKENC/HP/poster/05poster/nyusen.htm
小学生と中学生が作っている作品なので、当然パソコンを使っていません。
すごく上手とは言えませんが、個性がある作品ばかりで一生懸命描いたのが伝わってきます。どれも人権ポスターにふさわしい笑顔の作品が多く、見る人に人権に対して考えさせられるよいものになっています。
現在、様々な人権問題が出ています。1994年に国連総会で「人権教育のための国連10年」として、1995年から2004年までの10年間取り組むように各国に求めていました。日本では1997年に「国内行動計画」に計画を考えて決められました。以下に日本で重要課題として設定された内容について紹介します。
男は外で働いて、女は家で家事をするというような固定観念によって、女性が能力を発揮できる機会や自分らしく生きることの障害になることが問題になっています。社会活動の問題解決として男女雇用機会均等法ができましたが、このような女性に関わる環境の問題にはまだまだ課題があります。
子供の成長は大人の影響をすごく受けています。差別をする、いじめなどは親や先生など身近な大人の影響も多かれ少なかれあります。また、大人は子供に自分の価値観を押し付けて、夢や希望を否定してしまうことも多いです。この押し付けにより個性や自主性が失われる要因になっています。子供の人権は周りの大人たちが耳を傾けて、大切にしていかなければいけません。
少子化と寿命が伸び高齢化社会が進み、今や超高齢化社会になろうとしています。高齢化の問題は介護です。個人差がありますが、いつかは介護が必要になっていきます。その時に邪魔者にしたり、差別的な行動をとったりすることも少なからずあるのが現状です。自分が高齢になったときに嫌な態度をとられたりしたことを考えたら、邪魔者にするなんてことをできるわけがありません。
また、社会参加できる環境を作ることが課題になっています。寿命が伸びて元気な人もたくさんいるので、高齢者になっても生きがいをたくさん見つけられるような社会を作ることが目指さしていくことが必要になっています。
障害者には身体の一部が不自由だったり、知的な障害があったりなど障害といっても様々です。そんな状況の中で社会参加し、生活していくためにはどうすればよいのかが問題になっています。具体的な取り組みとして、バリアフリーのようなユニバーサルデザインを考えた建築物や道路、交通機関を作ろうとしています。
しかし最初にも言ったように障害にも色々あるので、生活環境から障害物を取り除くのは時間がかかります。まず、私達が偏見を持たず、関心を持てるように一人一人が変わっていくことが大事だと思います。
同和問題は日本固有の人権問題で、住所や出身の違いによって差別を受けるという問題です。この差別によって就職や結婚などにも影響を及ぼします。法律により差別はほとんど解消されたといえますが、心理的差別として残っています。一人一人が意識をして世間体を気にしないという視点が大事になってきます。
アイヌの人々は独自のすばらしい文化を持っています。しかし、同化政策や伝統を担う人の高齢化によって文化の伝承が失われつつあります。また、アイヌ民族という理由だけで差別や偏見も存在しています。アイヌの人々の理解を深め、差別や偏見をなくすように取り組みが進められています。
世界には日本とは違う文化、言語、生活習慣を持った人々がたくさんいます。肌の色や顔立ちなど日本人とは違いますが、同じ人間です。しかし、アパートなどの入居拒否や公衆浴場での入浴の拒否などの人権問題も発生しています。自分達と外見が違ったり文化が違うという理由で差別するのではなく、暖かく受け入れることが逆に日本から外国へ行ったときに暖かく受け入れられるようになるはずです。
刑を終えて出所した人とその家族に対する偏見は強く存在しています。就職が難しくなったり、差別的な扱いを受けたりします。社会復帰するために本人の強い意欲も大事ですが、家族や地域社会の理解と協力が必要です。人生の中で誰でも失敗することもあります。一度失敗したから社会復帰させないのではなく、社会復帰させるチャンスを与える、理解や支援することが大事です。